フィッシング報告の件数、10月も約4万9千件で高止まり

フィッシング対策協議会は11月4日、フィッシングに関する2021年10月の集計結果を発表しました。
それによると、同協議会に寄せられたフィッシング報告件数は、2021年9月の49,953件より1,213件減少して48,740件でした。8月に5万件を突破して以降、やや減少はしましたが、ここ1年ほどは3万件前後の月が多かったため、高止まりの状況と考えられます。
フィッシングサイトのURL件数(重複なし)は、9月から782件増加し、7,418件でした。フィッシングに悪用されたブランド件数(海外含む)は、9月から1件増加し77件でした。
具体的な全体の傾向としては、「Amazon」を騙るフィッシングメールの割合は28.2%で引き続き最多ですが、「メルカリ」を騙るメールが急増しています。その他では、三井住友カード、ETC利用照会サービス、楽天を騙るフィッシングが多く見られました。なおau、ドコモなどのモバイルキャリアを騙る報告が前月より3割近く増加を見せています。
これらのフィッシングではSMSも多用されているようです。なお、調査用メールアドレス宛に10月に届いたフィッシングメールのうち約89.6%が、正規の差出人に見せかけた“なりすまし”タイプのフィッシングメールでした。その多くが、見破られないまま流通していると考えられます。フィッシングサイトへの主な誘導手段となっているフィッシングメールには、メールのフィルタリング機能による対策が有効です。誤って誘導先にアクセスしてしまわないためにも、不正なメールの受信を防ぐことが大切です。

 

フィッシング報告件数の推移(フィッシング対策協議会の発表資料より)

出典:フィッシング対策協議会